一般企業と酪農業との違いとは?従業員の休日数や労働環境などを比較してみた!

酪農業界をはじめ、農業界全体的に人材不足が深刻な問題になっています。

酪農業は俗に言う「きつい・汚い・危険」「3K」に部類されることが多い職種です。

 

生き物を扱っている職業なので休みが少ないイメージだったり、牧場はどこか牧歌的なのどかなイメージをしている人もいるでしょう。

 

どちらのイメージも的を得ていると僕は思います!

 

これから酪農業界に参入してみたいと思っている人や酪農業界に興味があると言う方に

今まで酪農業界で9年働いてきた僕の視点で一般企業と酪農業の違いをお伝えしていこうと思います。

 

 

一般企業と酪農業との年収を比較

一般職(事務やコールセンターの受付)では2019年女性のデータだと平均309万

宿泊業、飲食サービス業、卸売、小売業とも年収は低い傾向にあります。

その理由としてベース賃金が安いのとお客様商売で世の中の情勢に左右されやすいのが挙げられます。

コロナ禍で最も大打撃を受けた産業と言えるでしょう。

 

高年収の傾向にある業種はIT系クリエイティブ職です。

20代でも年収500万を超える人もいます。

20〜30代が中心の職場が多くて入社してすぐでも実力さえあれば高年収を狙えます。

 

酪農の仕事の平均年収は約329万円

日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。

月給で換算すると27万円、初任給は20万円程度が相場のようで、アルバイト・パートや派遣社員では平均時給がそれぞれ1,000円、1,100円となっています。

正社員の給料分布を見てみるとボリュームが多いのは309~351万円の水準で、平均年収の329万円もこのゾーンに含まれています。
全体の給与幅としては267~605万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。

 

 

酪農の仕事の平均年収は329万円/平均時給は1,000円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス

僕の年収もそのくらいです。

 

酪農家の年収、所得も軽くご紹介します。

酪農で全平均1463万円(1698万円)、100頭以上層で4138万円(4792万円)、繁殖牛(子牛を生産する比較的規模の小さい農家)で376万円(530万円)、肥育牛(子牛を購入して成牛まで肥育する農家)で801万円(967万円)

 

 

農業界の中でも酪農はダントツ稼いでる業種です!

 

休日を比較

休日が多い職種は製造業(自動車やコンピューター)で120日以上の所も少なくありません。

 

一般的には105日でも休日が少ないと言われるようです。

105日に満たない業種も見受けられるのは、外食、小売、サービス業

理由として、土日、ゴールデンウィーク、通常の人が休みである期間がかき入れどきでなかなか休みが取れないという現状があります。

 

酪農業も休日は少ないです。

求人サイトを見てみても月の休日数は6~7日が多いです。

労働環境を改善している酪農場は増えてきていて月8日の牧場も出てきています。

 

なぜ酪農業は休みが少ないのでしょうか?

そもそも個人酪農家自体休みが少ない又はほとんどない牧場もあります。

全国の酪農家の平均年間休業日数は約18日で、ひと月に換算すると1日強。その休みも、乳牛たちの世話を「酪農ヘルパー」に有料で代行してもらって初めて得られます。収入を削らないと休めないのです。

 

とある酪農家の例をご紹介します。

我が家は家族経営の小規模酪農ですがヘルパー組合を利用して毎月1日は休むようにしてます。 ヘルパー組合とは休暇や冠婚葬祭、作業者の怪我や病気、出産などで働けない時に代わりに作業をしてくれる(有料)サービスです。 我が組合の料金システムだと1日ヘルパー取ると約4万円ほどです(地区により異なる)  もし「酪農に興味はあるけど休みはしっかり貰いたい」というのであれば、それこそ酪農ヘルパーとして就職するか従業員10名以上の大きな牧場に勤めてみてはいかがでしょう? 牧場によっては繁忙期以外は週1日以上休日、出勤日は朝晩の牛舎のみ日中数時間は休憩時間(フリータイム)というところもあります。

 

 

 

従業員が働きやすい環境を懸命に模索している牧場のブログ記事もご紹介してたいと思います。

休日管理は愛~しっかり休んで楽しく働くための話~|マイナビ農業

こちらも是非!

 

労働時間、労働環境の違い

一般的に労働者は労働基準法でガッチリ守られています。

労働時間については労働基準法により1日8時間、1週40時間、を超えて労働させてはならないという規制があります。

一般企業は例えば、始業時刻7時、就業時刻17時、休憩時間を1時間として1日の所定労働時間を9時間とすることはできない

 

しかし酪農の場合はそれが許されます。

9時間や10時間労働でも違反にはなりません。

 

農業という事業は天候や台風等の自然条件に大きく左右されますので

1日8時間、1週40時間といった規制が馴染まないし、天候の悪い日や閑散期に十分な休息を取れることから労働時間等の規制の適用が除外されました。

時間外労働に関したも割増賃金を支払う義務はない。

しかし、深夜労働に関しては25%深夜手当を支払わなければならない。

しかし、適用が除外されているのは「労働時間、休憩、休日」に関する規制だけでこれ以外は全て適用されます。

 

酪農業は基本的に閑散期はない(牧草を自分達で生産しているところを除いて)のです。

 

上記の内容を守らなくても法律違反にはなりません。

これは法律違反にならないだけで、そうすべきということではありません。

長時間労働をさせていると、従業員が定着しませんし、新しく従業員を募集してもなかなか集まりません。

農業においても一般企業と同じように週40時間労働を基準としてこれを超えた時は割増賃金を支払うことが望ましいです。

 

酪農業の魅力

酪農の魅力はなんといっても牛と毎日のように触れ合えることです。

僕も動物が好きでこの業界に入りました。

酪農は確かに労働時間は長く、休日も一般企業よりは少ないですが

それを凌駕するやりがいがあります。

牛と共に規則正しい生活ができます。

基本的に朝がとても早く4時~5時が始業開始が多いです。

綺麗な朝焼けをほぼ毎日見ることができ自律神経が整う感覚があり心にとてもいいと思っています。

 

酪農の仕事の魅力がいっぱい詰まっているサイトをご紹介します!

酪農のお仕事最前線|マイナビ農業

 

ただし、そこに良い人間関係があることが前提です。

初めて酪農業界で変な人や自分に合わない牧場と出会ってしまって酪農が嫌いになってしまう人も少なくありません。

 

そういった人材の流出はほんとうに勿体無いことです。

これからの酪農業界に参入してくれる人を増やすためにも、ゆとりある働き方や休日の確保がしっかりできるような仕組み作りが必要だと思います。

 

まとめ

今回は一般企業と酪農業の違いについてまとめてみました。

  • 年収をアップするにはスキルと経験を積んでいくのが必要。
  • 休日は一般企業と比較すると少ないが、段々と増えてきている傾向にある。
  • 労働基準法の「労働時間、休憩、休日」は酪農には適応されない。
  • 酪農は他の産業にはない魅力がいっぱい!
  • 酪農は他業種に比べるとまだまだブラック。でもどんどん改善されているから将来性あり

 

個人的に就職、転職に重要になってくるのは給与や休日などの労働条件も大切ですが

牧場の社長や人柄、企業理念やビジョンが明確であり、熱い情熱を持ち、常に学び続ける牧場も重要になってきます。

 

その辺が曖昧だったり、情熱や、従業員に対して愛情が感じれなかったり、社長の思いを伝えてくれなかってり、従業員の意見が全く反映されない牧場は、求人票だけでは分かりません。

 

インターンシップなどを積極的に利用して牧場の雰囲気などを肌で感じてくることを強くお勧めします!

 

求人票だけで就職や転職を決めるのはとてもリスキーな行為です。

 

法人化している牧場も増えてきています。

良い労働条件の牧場も増えている印象です。

一般企業と同様に連休も普通に取れるようなったきます。

 

他の業種では味わえない魅力がいっぱいあるのが酪農だと思います!

少しでも酪農のことが伝われば幸いです。

 

 

ありがとうございました!

では、また✋

 

しげるでした😆✨